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SIXTHDAY

朝のアイガー

朝、眠い目をこすりながら目を覚ますと、朝日にアイガーが輝いていました。雲も無く、この上なく上天気です。この時、突然「ユングフラウ・ヨッホ」に登りたくなりました。高橋さんはハイキングに行きたいというので、まず「メンリッヒェン」までゴンドラで行き、そこから「クライネシャイデック」までハイキング、そしてそこから登山電車でユングフラウ・ヨッホへ行くという計画を立てました。いっぱいの人とにぎやかな朝食。その間も窓からアイガーが見えました。

高橋さんと共にチェックアウト。今夜はナチュールフレンドハウスに泊まるつもりで、2人でそこへ行ってみました。中に入ると、アルペンブリックに宿泊していると思っていた、あのモンブランに登った女性とその友人の2人が居ました。また丁度チェックアウトする所です。安いからという理由でここに泊まったのだそうです。確かに料金は殆どユースと変わりません。チェックインを済ませ、オーストリアの「インスブルック」へ行くという山名さんを半分無理矢理もう1泊させて、また3人で出かけました。

グリンデルワルト駅から坂を下り、20分くらい歩けばメンリッヒェンへのゴンドラの駅「グルント」に到着します。ゴンドラに乗って約30分で着きますが、その間に雲がどんどん発生し、アイガーの姿を隠していったのです。
メンリッヒェンに着いた時にはすっかり雲に隠れてしまって、青空も消えていました。しかし、ここからはラウターブルンネンの村が良く見えました。「アイガー」「メンヒ」「ユングフラウ」の三つの山を「オーバーラント三山」と呼びますが、メンリッヒェンからのその姿がバランス良く美しいと聞いていたのにまったく見えず、とにかく私たちは、雲に隠れて見えないオーバーラント三山に向かって歩き始めました。ライダーブーツを履いてのハイキングは少々違和感がありましたが、ハイキング・コースはとても良く整備されていて、クライネシャイデックまでは何の問題も無く歩けました。

アイガーを隠してゆく…

奥にラウターブルンネン、手前はヴェンゲン村

クライネシャイデックに着くとたくさんの観光客がいて、曇り空のため閑散としたメンリッヒェンとは比べられないほどの活気がありました。さすがにユングフラウ・ヨッホへの中間駅です。ここへ来て、登るか否かで迷っていました。空は未だどんより曇ったままだったのです。どこからか聞き馴染みのある言葉が聞こえました。京都から来たおばさん達の集団です。「ヨッホ」から下りてきた所だという事で、話を聞いてみると
「行っといで、行っといで、綺麗やったでー」
山の上は晴れているから絶対行った方が良いというので、山名さんと私は上まで登山電車で登る事にしました。ヨッホは雲の上みたいです。高橋さんはここからグリンデルワルトまで歩くというので、ここで別行動になりました。ユングフラウ鉄道(JB)に乗り、最初の駅「アイガーグレッチャー」までは間近に見るユングフラウの大岩壁がゆっくりと迫ってくる車窓が楽しめますが、電車が地上を走るのはその間だけで、後はアイガー内部のトンネルの中を走るため景色は見えなくなります。

トンネル内は、建設当時の岩をくり貫いたゴツゴツした岩肌のままの姿をしています。2つ目の駅「アイガーヴァント」では、電車を降りてアイガーの北壁に開けた窓からの景色を眺められます。すごい絶壁で、よくこんな所を人間は登るなぁと感心しました。高度感もかなりのものです。3つ目の駅「アイスメーア」でも降りる事が出来、窓から外を見る事が出来るのですが、ここはすでに雲の中なのか、殆ど何も見えませんでした。各駅に着く前に車内のアナウンスがあるのですが、これがなんと「独」「仏」「英」「伊」とそして日本語の5カ国語からなるインターナショナルなものでした。最近では、中国語や韓国語も追加されている様です。頂上駅「トップ・オヴ・ヨーロッパ」、ヨーロッパで最も高い標高(3454m)にある鉄道駅に到着。しかし何と、何の景色も見えません。真っ白!おばさん達は晴れていると言っていたのに…時既に遅し…ユングフラウ・ヨッホも雲の中に入ってしまっていたのです。

とにかく、私たちはお腹が減っていたので、セルフサービスのレストランで昼食にしました。食べながら同席した2人のアメリカ人女性と話をしたり、絵葉書を書いたり、「アイスパレス(氷の宮殿)」や「科学展示室」など、それなりに見所もあり、かなり楽しむ事が出来ました。それにしても、レストランのレジの女の子は、私たちに英語で「日本人か韓国人か?」と聞いてから、値段を日本語で言ったのが驚きでした。と言う事は、彼女は韓国語でも値段を言えたのでしょうか。

帰りの電車の中では暖房が暖かく効いており、私は気持ちよく居眠りをしてしまいましたが、それは私だけではなく多くの人達が居眠りをしていました。クライネシャイデックで乗り換え、グリンデルワルトへ。アイガー北壁直下を、電車はゆっくりと下っていきます。しかし、相変わらずアイガーは雲に隠れたままでした。左手の車窓に目をやると、緑のアルプの中を1人のハイカーが、勢い良くハイキング・コースを下っているのが見えました。それは何と高橋さんではありませんか!山名さんも「高橋さんの足はすごい」と言っていました。グリンデルワルトでは買い物をしたり、日本語観光案内所でいろいろな情報を教えてもらったり、少し村をうろうろしてから、急な坂道を登ってPM6:00頃ナチュールフレンドハウスに戻ると、すでに高橋さんがいました。やっぱり高橋さんの足はすごい。

グリンデルワルト駅

高橋さんと山名さん、そして私の3人と、もう1人の日本人男性[木付さん]と4人でひと部屋。外国語の出来なかった私には気の休まる部屋です。今夜は4人でにぎやかに食事が出来ました。ナチュールフレンドハウスは、安く夕食の用意もしてくれるので貧乏旅行者にはお勧めの宿です。それにかなりのボリュームでした。食後にふと窓に目をやると、また雨が降っていました。明日、山名さんはインスブルックへ、高橋さんは休息日。私はどうしようか迷っています。目的だったトロア・コルは制覇しているので、一昨日行けなかったゴッタルドとヌフェネン、2つの峠に行こうか、それともここを発ってイタリアとの国境にあるグラン・サン・ベルナール峠にでも行こうか、でもまた雨の中を走るのは遠慮したいのでここに留まるか、とにかくバイクをレンタルしてから雨続きみたいに思えて(実際、雨の日が多いのですが)、おまけに今日の何も見えなかったユングフラウ・ヨッホとくれば、少々がっかりもしてしまいます。あしたも雨…の様な気がします。
なんだかもったいないなぁ…
あしたの事はあした決めよう。

ナチュールフレンドハウス

第6日目の走行距離=0.3km

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